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December 11, 2004

ことば・文字・イメージ

おれおれ詐欺の名称が変わったようです。
警察のお偉いさん方のアイデア「振り込め詐欺」
振り袖火事みたいな響きです。語感も悪いし
言いにくい。おれおれ詐欺は誰がつけたか分かり
ませんが、センスのあるネーミングだと思います。
アクセントは、お・お・さ。リズムもいい。一方、振り
込め詐欺は「こめさ」の部分が言いにくい。
「最近の犯人はおれおれとは言わない」とのこと
ですが、振り込みを強要しなくなったらまた名前が
変わるんでしょうか。世の中におれおれ詐欺という
ネーミングは浸透しているようですが、一方で犯人
がおれおれと言ってもいまだににダマされる人も。
ということは、名前を変えても意味がないわけです。
響きのいいネーミングを捨てることで犯罪がさらに
拡大しないことを祈ります。

ネーミングほど難しいものはありません。生茶という
名称がヒットしましたが、あのお茶は別に生なわけ
ではありませんし、生のお茶といわれてもどういう
ものかは想像がつかない。ただ、消費者の頭の中
では何となくしっくりくる。「うまそうだ」と。絶妙です。
ヒントは生ハムだったようですね。
自然発生的なネーミングには、こういうものが多い。
頭でひねり出したのではなくて、何となく出てくる。
コギャルもそうです。マスメディアが派生語として
使ったマゴギャルは、いまいち。コは高校生のコで
子ではない。恐らくコギャルというのは「小娘」とか
そういう語感に近く、イコール「生意気」という感じが
当てはまったのでしょう。もとを辿れば名付け親が
いるはずですが、極めて自然発生的です。
一方で無理のあるネーミングは関係者がいくら努力
しても浸透しない。例えば国鉄民営化を期に国電に
代わるネーミングが検討されました。委員長の小林
亜星が自信を持って発表したのは「E電」でした。
Eは、電気とか良いとか環境とかいろんな言葉を
かけていたように記憶していますが、利用者は別に
「良い」電車とは思っていないので浸透するわけが
ありません。E電は、ラジオなどの鉄道運行情報で
細々と使われていましたが今はどうなのでしょうか。
他にも候補に首都電というものもありました。結局
今は使われていません。地下鉄大江戸線も賛否
両論ありますが、頭の固い都議センセイ方がゴリ
推ししていた東京環状線よりはマシでしょう。
第一、環状ではないのですから。そんなに大阪と
張り合ってどうするんですか。ちなみに、銀河鉄道
999の環状線はマゼラン環状線。666…つまり
マゼラン6号が走っています。

既にあるものと被っていたり、インパクトに欠ける
ものも浸透しません。言葉もそうです。万国共通語
として脚光を浴びたエスペラントは今、使っている
人はほとんどいません。英語などの言葉が共通語
として充分機能するからです。一方で唯一、人間が
作った言語で浸透したものがあります。ハングル。
朝鮮語は古来、音に漢字を当てて使っていました。
15世紀にそれを表す簡潔な文字、ハングルを発明
し使っていますが、韓国では漢字が見直されてきて
いるようです。日本語も漢字を使います。カタカタや
ひらがなは朝鮮語と同じように音で文字を当てはめ
変化したものです。そう考えると漢字というものは
アルファベットと同じく多くの国に影響を与えている
文字だということが分かります。

日本については、明治維新とか第二次大戦終了後
を期にローマ字表記にして漢字を捨てろという意見が
ありました。「当用」漢字というのは、当面使うという
意味だと記憶しています。ということはそのうち見直す
可能性があったということになります。確かに漢字は
ワープロやパソコン開発の大きな妨げになりましたが
結果的に漢字を捨てずに今も使い続けています。
ハングル導入後の朝鮮は漢字を捨てたばかりに古文
研究など断絶した文化もあるようです。中国も漢字を
略した簡体字を使っています。もはや、漢字を守るの
は日本人の役目なのかもしれません。
ただ、今の若者は、本はおろか漫画も読みません。
おまけにIT化の流れで多くの日本人がメールを使い
手で文字を書かないという状況を考えると、かなり
心配だといえます。

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