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November 03, 2004

ソウ

移転後初のCinemaXです。
連載第21回目

ソウ
監督:ジェームズ・ワン
製作総指揮:ピーター・ブロックほか
脚本:リー・ワネル
出演:ケイリー・エルウィズ 、ダニー・グローヴァー
(公式サイトはこちら
(計測時間103分)

「輪廻転生」

前評判の高い日米同時公開作品。
個人的に日米同時公開っていうのは、A.I.などの微妙な
映画に代表されるように、先行公開でクソ映画ということが
バレないようにするための手段と思っていましたが、
ラストサムライに代表されるように最近はデジタル化による
配信時間の短縮や映画各社の方針によって一概に
「日米同時公開=クソ映画」
という図式は当てはまらなくなっているようです。
ちなみに日本では空振りどころか球も来ず、会社が傾いて
しまった劇場版ファイナルファンタジーは北米先行公開。
日本人はベタベタのCGに馴染めないんでしょうか。
やはりキャシャーンは冒険でした。

本編スタート。
その前に長々と続く予告。その中でリングの続編みたいな
映画のロゴ「TWO」と、この映画のロゴ「SAW」がそっくり
でした。本編?と思ったほど。リングは続いているんですね。
リング、らせんなど一連のラインナップは個人的に
リング(原作)>リング(NHK版)>リング(劇場公開版)…
あとはクソと評価しています。リングは実話が絡むので
リアリティがあったんですよね。ともあれ、ジャパンホラーを
確立する原動力となった鈴木光司氏には敬意を表しますが。
どうでもいい話ですが、鈴木氏はかつて通っていたシナリオ
講座の先輩でもあります。著名になっても本を出すと師匠に
手渡すために授業に紛れ込んで来ていました。謙虚。

ほんとに本編に入ります。
いきなり「なぐり」スタート。サスペンスでいきなり死体が
ドッギャーンと出てくる形式です。観ている側はあまりに
荒唐無稽でない限り「えっ、何?」と話に引き込まれます。
サザエさんのようなホームドラマには使えませんが。

冒頭、いきなりテープ、拳銃、死体が出てきます。落語で
3つの題をもとに話を作る…三題噺?そんな掴みです。
20分後、ソウ(SAW)の意味が分かります。
映画のタイトルは本題と関係あるようで実は核心を突いた
ようなネーミングではないと思いました。
皆さんはどう思われましたか?

ターン1までの評価「A」

この映画の醍醐味は、しっかりとした構成。
無茶苦茶な映画のようで実はテーマは首尾一貫しています。
これは、時間列がぐちゃぐちゃにちりばめられているにも
かかわらず、何も考えずともどこの話かは分かるというところ
にもあらわれています。どの時間列も極限状態だからという
見方も出来ますが。少なくとも話を見失うことはないでしょう。
ちなみにテーマは、登場人物が最後に喋る言葉でしょう。
やはり映画のタイトルとは関係ありません。

映画にはいくつもの「ゲーム」が出てきます。
ドンキーコングとかじゃなくて、例えが不適切ですが
「さあ、ゲームのはじまりです」のゲームと同じニュアンス。
そのゲームはあの部屋にとどまりません。あちこちで展開
されるゲーム。緊迫感は本編終了まで続きます。
ただ、先を読もう読もうと凝視していれば展開が分かるので
そこが少し物足りない感じも。

ターン2までの評価「B」

人が死にまくっている間に、この映画の存在価値を考えて
みましょう。雰囲気はブレア・ウィッチ・プロジェクトや
ユージュアル・サスペクツに似ています。雰囲気は前者、
話の組み立て方は後者。ただ、こういう映画を連発しても
観客は飽きてしまうと思います。ブレア…は1995年、
ユージュ…が99年、ソウは2004年ですから、出るべき
タイミングで出てきたということでしょうか。輪廻転生です。
「いま、会いにいきます」のような草食動物系映画も今が
旬だから映画化されるわけです。この手の話はこれまで
結構ありましたから。「あした」「のび太の宇宙開拓史」など
と同じ匂い(?)がします。あまり連発するときついですが
「世界の中心で愛をさけぶ」以降、草食動物系映画が受け
入れられやすい環境が整ったので出てきたともいえます。
2匹目、3匹目のどぜう(江戸前風)を狙って。少なくとも
数年前のホラーブーム真っ只中ではあり得なかったこと
でしょう。ちなみに、ホラーブームはまだまだ続いています。
秋元康氏が残り少なくなってしまったおいしい汁を必死で
チューチュー吸っている最中です。

この映画は、人が殺されまくります。観る側のテンションは
常に高く痛い、痛いという感じです。こういう映画で感じる
ストレスって仕事のストレスとは少し違うようですね。
ホラー映画の恐怖も実際に体験する恐怖とは違い、快楽
にも似た性質があるようです。つまらない映画を観る時の
ストレスは当てはまりませんが。最後の展開も賛否両論
ありますが、僕はこれでいいと思います。

最終評価「A」

思ったほどの絶賛ではありませんが、CG使いまくりの壮大
な映画に飽きたなら、きっと新鮮に感じることでしょう。
この映画の問題点はちょっとしたところ。残虐なシーンとか
最後のカーチェイス(?)とか、映像を早回しにするシーンが
何回かあります。それがほんのちょっと前の流行りに
乗ったような編集なので「ええーっ?」と思ってしまいます。
今、若者相手にランナーを絶唱するような感じ。観ている
側が恥ずかしくなってきます。残虐性を少しでも抑えるため
だとか、時間を節約するためだとすれば仕方ありませんが、
編集する側の感性でやったとすれば減点です。
これがなければ、後世、いつまでも新鮮さが感じられる映画
になるような気がしました。残念。

~鑑賞メモ~
鑑賞日:平成16年11月2日
劇場:VIRGIN TOHO CINEMAS 六本木ヒルズ
観客数:20人程度/652席
感涙観客数:なし
※感涙観客数は観客の鼻すすり音で推定

六本木はいまいち馴染めないのでもう行きません。
犬を連れて散歩するセレブ。犬が20歩ほど歩いて散歩を
拒否したのでタクシーに乗っていってしまいました。
贅沢なのは人間だけじゃないんですね。

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