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October 25, 2004

電車男

発売日の22日に購入、あっという間に読み終わる。
最初は、一連の流れを小説形式に仕立てたのかと
思いましたが、思い切り掲示板そのままでした。
編集の際に行われた作業は、関連のある書き込み
の抜粋と途中に数行入る解説ぐらい。だからこそ
臨場感があるともいえます。見ず知らずの人たちが
一丸となって掲示板やチャットで盛り上がったことが
ある人はまず、臨場感を感じてもらえることでしょう。

電車男のスレは、何度か忍び込んで読んだことが
あります。ただ、あらためて本としてまとめて読むと
恐ろしいまでにピュアな恋愛が表現されています。
構成なんかもないので電車男とエルメス子さんの
恋愛が予想以上に速く進んでしまったりと拍子抜け
の部分はありますが、シナリオの100倍、小説の
10倍は作りこまれて「いない」ストーリーはかえって
新鮮。地元にいる頃、出入りしていた薬局の店主が
恋愛の指南師のような勢いで「今のうちに純粋な
恋愛をしろ。大人になったら出来ないぞ」と言って
いましたが、この本を読めば何を言おうとしていた
のか分かるような気がします。初恋に代表される
ような「純粋な恋愛」は、多くの人々が経験している
ものなので、この「電車男」には共感できる部分が
多いのではないでしょうか。
形態は異質ですが、多くの人々を共感させる可能性
のある作品を、社会を楽して闊歩するイケ面男や
セレブな女性に蔑まれてきたアキバ系など「毒男」
が生み出したのは、かなり痛快な気がします。

本自体は面白かったですが、個人的にこのような
形態の本は最初で最後であって欲しい。ひとつは、
このような形態はもう成り立たないであろうこと。この
話は出版社が何社も飛びつくほどの人気でしたが、
二番煎じはやはり恥ずかしい。それでも著作権が
あいまいなまま手間もかからず、ある程度部数が
見込まれる本ってのは魅力なのでほっといても出て
くるんでしょうけど、出版業界のため、僕は絶対買い
ません。ベスト版で楽して儲ける音楽業界と同じです。
ふたつめは、おそらく数年後には通用しない内容で
あろうこと。ITは日進月歩で技術が進んでいます。
数年後はこうした掲示板の仲間を通じた恋愛の成就
も形式としては成り立たないようになるでしょう。
ポケベルがカギとなるサスペンスやメールを使った
恋愛映画があっという間に骨董品扱いされてしまう
のと同じ。そう考えると「電車男」は賞味期限が短い。
半年後にこの本を読むのは今さら「ダディ」を読むのと
同じ。「電車男」はラフレシアの花なのです。
「電車男」読みたい方は今夜から、いや今すぐ買って
お読みください。

ということで「電車男」の批評はこれまでにします。
この本を本当に評価するのは毒男(=世の毒男)の
人々だと思うからです。この本は、今後、社会現象
として発言に横文字ばかり使うような学者様の方々
が批評することになるでしょう。オタク批評家みたい
な人もいますが、あの人も毒男ではありません。
後から自分の都合のいい方向に引っ張り込んで
評価するのは誰でも出来ますから、僕もこのへんで。

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